ピルに関する基礎知識
服用中のトラブル
飲み始めの注意
服用初期、特に1~3ヶ月頃は、「マイナートラブル」と呼ばれる次のような症状が出る場合があります。
ほとんどの場合、服薬を続けるうちに治まりますが、
症状がひどい場合や長引く場合は、医療施設へ相談しましょう。
医師の指示なしに、自己判断で服薬中止はしないでください。
不正出血
服薬期間中の出血を「不正出血」といいます。子宮内膜の状態が変化するため、多くは服用を始めて1~2ヵ月以内にみられる傾向があります。薬の飲み忘れや不規則な服用時間も原因となります。
吐き気・嘔吐、乳房の張り、頭痛、むくみ
排卵を休ませ、赤ちゃんはいないけれど妊娠に近い状態にするので、服用のはじめの頃につわりのような吐き気があらわれることがあります。多くが1~3ヵ月以内に軽快します。
重大なトラブル
頻度は少ないですが、気を付けたい重大なトラブルとして、血栓症があります。
血栓症は、血のかたまりが血管に詰まる病気です。
ピル服用者よりも喫煙者や妊娠中の方が発症リスクが高いと言われていますが、40歳以上の方、肥満傾向の方は注意が必要です。十分な水分(1日1,500cc以上)の摂取や、同じ姿勢を長時間続けないなど、生活習慣に留意しましょう。
血栓症の前兆となる、以下の症状が現れた時は、すぐに服用を中止し医療施設を受診しましょう。その際ピルの服用中であることを必ず伝えて下さい。
・突然の脚の痛み・腫れ
・手足の脱力・まひ
・突然の息切れ、おしつぶされるような胸の痛み
・激しい頭痛、舌のもつれ・しゃべりにくい
・突然の視力障害(見えにくいところがある、視野が狭くなる)
<医師監修>
成城松村クリニック院長
松村圭子(婦人科/日本産科婦人科学会専門医)